おゆみ野園

「行ってらっしゃい」「待っててね、早く迎えに来るからね」
毎朝、当園で見られる保護者とお子さまのやりとりです。同じ時間に同じように繰り返される当たり前の光景ですが、『実は奇跡なのだ』と表現されていた方があったような記憶があります。
保護者からバトンタッチされる小さな手。そのぬくもりを一日、大切にお預かりして、しっかりと夕方、お返しする。それは命の尊さを実感できるときでもあるからでしょう。「明日、また会おうね」今、この時を子どもたちの未来につなげていく。そうした願いを込めながら、自分たちの使命はこの瞬間にあると深く感じ入る日々です。

当園の「すべては子どもたちのために」という基本理念は、私の２人の子どもが生まれた千葉県東部エリアの病院の「すべては患者さんのために」という理念に大いに感銘を受け、掲げさせてもらっています。
患者と園児の違いはあれ、病院が患者を第一とし、保育園が園児を第一とすることは当たり前のことです。しかし、とことん突き詰めて考えていくと、それだけではないものが見えてきます。子どもたちの権利、尊重を重視し、健やかな育ちと安心できる暮らしに心を配る園の環境や運営方法もありますが、保育に携わる者として、保育のためにあらゆる努力を怠らず、その子の有り得べき姿は何なのか、常に誠実に向き合うことが大切であると思います。

園長 : 井上 智子